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  3. 高邁な精神を持しおもねらぬ生き方したる者を描けし 『地侍の魂』 (2009年5月1日刊)大地に根ざし地に足をつけ、企画力・技術力・経営力・組織運営力を手にし、誇り高く実直懸命に人生を送った"地侍の裔"に焦点を当てて歴史を観た初めての書

高邁な精神を持しおもねらぬ生き方したる者を描けし 『地侍の魂』 (2009年5月1日刊) 大地に根ざし地に足をつけ、企画力・技術力・経営力・組織運営力を手にし、誇り高く実直懸命に人生を送った"地侍の裔"に焦点を当てて歴史を観た 初めての書

 無気力、夢と理想の喪失、将来に対するそこはかと無い不安。これは昨今、我々に突きつけられる重く気鬱な現実である。背景として、先行きの読めない世界情勢、格差社会の出現、社会生活すべてにわたってのモラルの低下などがあげられる。
 閉塞した時代を打破するもの、それはいつも人間であった。
 中世、地侍と呼ばれる人たちがいた。武装した小領主、地主である。彼らは領地(生産手段)と地位(尊厳)を守るために、ある時は武田に属し、北条に転じ、またある時は徳川に従うなどした。しかし、それはあくまでも主体的にである。地侍──彼らこそが中世、戦国期の武士団の中核だったのである。そんな彼らも秀吉の時代、宮仕えの武士として歩む《領地(生産手段)を放棄する》か、百姓として生きる《武装(自衛力)を放棄する》か、選択を迫られた。これが兵農分離策である。
 近世(江戸時代)が近代(明治時代以後)の基盤となったといわれる。すべての準備が江戸時代になされていたというのである。そして、その地の塩、背骨となったのが地侍の裔である上層農民と下級武士、自立した商人であった。彼らの独立自尊の魂と剛直な精神こそが近代を拓いたのである。
 今混迷する時代、江戸期の彼らの生き方を顧みることは、我々に力強く生きるヒントを与えてくれるのではないだろうか。

[2009年09月15日 作成]  [2009年09月16日 更新]

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